すべてはあの花のために②


 実は昨日。帰りが遅かったので、またキス魔に襲われたのかと思ったシントに、体を隅々見られた挙げ句襲われかけた葵である。


『冗談はさておき。本当早く帰っておいで』

「何もしない?」

『しないしない。そういうことじゃないから』

「……いるの」

『うん。早く帰らせろってさ』

「そう……」

『ごめんね。楽しかったのに』

「いやいや、シントのせいじゃないよ。……わかった。なるべく早く帰ります」

『うん。お願いします。愛してるよ葵』

「……っ!?」


 耳元にとんでもない爆弾を落としていったんですけど。しかも攻めレベルが確実にアップしてるし。
 やれやれどうしたもんかねと、ため息をつきながら電源を落とした時だった。


「電話、終わりましたかぁ? 道明寺サン?」


 電話に集中していたせいか、全然気づかなかった。葵のすぐ近くに男子生徒が一人佇んでいた。