「ご、ごめんなお嬢さん。まさかこんなことになるとは思ってなくて……」
ステージ裏にいたさっきの三人の業者さんが、おろおろと出てきた。
「いえいえ全然大丈夫ですよ! それよりも、お借りしたこの衣装が傷んでないか心配です」
「そんなのはどうでもいいんだよ。お嬢さんに、怪我はなかったかい?」
「ちゃんと受け身も取ったので大丈夫です!」
本当のところは腕と背中が強烈に痛い。恐らく痣になるだろう。
「俺らは、ただアカネ氏に喜んでもらいたかっただけなんだ」
「お嬢さんを打ち合わせの会場で見た時に、アカネ氏の大好きなマミリンにそっくりだったから。驚かせてやろうと……」
「最近は同好会に顔を出さなくて心配だったんだ。だから、これでも見たらびっくりするだろうと、……思ったんだけどな」
しょんぼりと落ち込んでいる三人の気持ちはよくわかる。だから、葵は深く彼らに頭を下げた。
「すみません。あなた方にお願いされたのに、彼を助けるどころか余計怒らせてしまって」
「そんな! お嬢さんが頭下げんでください!」
「でも諦めません。きっと、彼の思いを軽くしてみせます」
「お嬢さん。……アカネくんを、よろしくな」
彼らも葵に深く頭を下げてくる。
みんな思いは同じ。彼にただ、笑っていて欲しいだけ。
「取り敢えず。もう着替えてもいいですか?」
「待ってくれ! せっかくだから何枚か写真を撮っておきたい!」
「ネットには流しません故!」
「少しだけそのままでお願い致しまする!」
その後いろんなポーズをさせられたり、一緒に写真を撮ったりしてからようやく、葵は魔法少女から解放されたのだった。



