すべてはあの花のために②


「(……あ、あれ? なんだか蔑むような視線が……)」


 体育館入り口からひしひしと飛んでくる気配に、頑張って首を動かして確認してみると。


「アカネが変態コスプレ星人に襲われてるうー!」


 あなた、やっぱり根に持ってるんですね。


「(そしてなんで、みんな来てしまったのよ……)」


 生徒会大集合なんて聞いてないゼイ。
 しかも叫んだチカゼ以外は全力で引いていた。悲し過ぎるにもほどがある。


「……え。あおい、チャン……?」


 そのチカゼの大声で、アカネは我に返ったようだった。
 動揺しながら、葵から一歩、また一歩と離れていく。


「アカネくん? いやーあの、これにはいろいろと事情が――」


 あるのだと、そう言おうと思ったら、一気に距離を詰められて。


「今、おれ何も言わなかったよね」


 襟を掴みながら、威圧的にそう言ってくる。疑問形ではなく、まるでそうだったと葵に言わせるために。
 けれど葵は、彼の視線を真っ直ぐに見返したまま否定した。


「……言ってた。助けてって」

「――! 言ってない」

「ううん。アカネくんはそう言ってた」

「言ってないっ!」