すべてはあの花のために②


「オレも送ってく」


 ――その日の帰り道。アキラとツバサに加わり、ヒナタも葵を送ってくれることになった。


「(それにしても、わたし(、、、)を見ていた? もし狙いが『わたし』だとしても、わたしはみんなを守らないと……)」

「……い。葵?」


 不意にアキラに名前を呼ばれたかと思ったら、ツバサに腕を掴まれた。


「アンタ、気づいてないの?」

「へ?」

「力、入ってる」


 ヒナタにそう言われるまで気付かなかった。無意識に自分の腕を掴んでいた。
 多分怖いんだ。自分ではなく、みんなに何かあったらと思うと……。


「(それだけは、本当にいやだ……っ)」


 思わず唇を噛み締めと、口元に誰かの指が当たった。


「んっ?」

「葵。そんなに噛んだら血が出る」

「……うん」


 口の力は緩んでも、何故かアキラの指が離れていかない。


「……ん?」

「いや。……やわらかいなと」

「っ?!」

「「ストーップ」」


 アキラと葵の間に、チョップする形で九条兄弟が割って入った。


「なんなのアンタたち。もうそんな関係なわけ?」
「そんな関係って何!?」

「勝手に二人の世界入らないでアキくん。迷惑」
「迷惑……(しゅん)」


 そんなやりとりをしていたら、いつの間にか葵の家に着いていた。


「今日も送ってくれてありがとうございましたさようならー!」


 葵はさっさと屋敷の中へ逃げるように帰って行った。