「オレも送ってく」
――その日の帰り道。アキラとツバサに加わり、ヒナタも葵を送ってくれることになった。
「(それにしても、わたしを見ていた? もし狙いが『わたし』だとしても、わたしはみんなを守らないと……)」
「……い。葵?」
不意にアキラに名前を呼ばれたかと思ったら、ツバサに腕を掴まれた。
「アンタ、気づいてないの?」
「へ?」
「力、入ってる」
ヒナタにそう言われるまで気付かなかった。無意識に自分の腕を掴んでいた。
多分怖いんだ。自分ではなく、みんなに何かあったらと思うと……。
「(それだけは、本当にいやだ……っ)」
思わず唇を噛み締めと、口元に誰かの指が当たった。
「んっ?」
「葵。そんなに噛んだら血が出る」
「……うん」
口の力は緩んでも、何故かアキラの指が離れていかない。
「……ん?」
「いや。……やわらかいなと」
「っ?!」
「「ストーップ」」
アキラと葵の間に、チョップする形で九条兄弟が割って入った。
「なんなのアンタたち。もうそんな関係なわけ?」
「そんな関係って何!?」
「勝手に二人の世界入らないでアキくん。迷惑」
「迷惑……(しゅん)」
そんなやりとりをしていたら、いつの間にか葵の家に着いていた。
「今日も送ってくれてありがとうございましたさようならー!」
葵はさっさと屋敷の中へ逃げるように帰って行った。



