「ここまでわかったんだから、直接本人に聞くのが早いだろ。なんでこんな本を作ったのか、この本のせいで行方不明者が出てるなら、事件解決だってできるかもしれないんだ!」

「そうだけど……」
ごく普通の作家が誘拐事件に関係しているなんて、到底思えない。
だけど慶太はすでに行く気満々だ。

「この作品の続きを知れば自分が行方不明になる場面もわかる。行方不明を回避できると思ってたけど、それだけじゃない。すべての元凶を終わらせよう」

慶太の言葉に香はなにも言えないでいたのだった。