この小説の続きを探しています。

ヤギのように曲がった2本の角。
真っ黒な顔に真っ赤な目。

背中にはコウモリのような大きな羽根が生えていて、恐ろしい牙がむき出しになっている。

「私の名前はマアクだ」
耳まで避けた口が動き、真っ赤な舌が除いた。

今にもその口に食べられてしまいそうな恐怖に香の呼吸が荒くなっていく。

「け、慶太を連れていかないで!」
両足に力を入れて踏ん張り、どうにか声を張り上げた。

雨はどんどん強くなり、近くにいても大きな声を上げないと聞こえないくらいになっている。

それでも今の香は雨が降り注ぐ痛みや寒さを忘れていた。
「あの本を手にした人間は、必ず私のものになる」

悪魔の声は乱暴でひび割れ、男か女か、若いのか年老いているのかも判別がつかない。

それでいてついて行きたくなるような魅力があった。
もしかしたら西羽咲もこの声を聞いたのかもしれない。