恋は淡く、そして甘く

「あんた、律くんの彼女ってだけで、調子乗んなよ‼︎」



バケツいっぱいに入っている水が、頭の上から降り注ぐ。

……冷たい。

何も言わないままでいると、いつもいじめてくる莉奈は、チッと舌打ちをした。

そして私の頬をバチンと叩いて他の女子たちと一緒に教室に戻って行った。




廊下から、だんだんと聞こえなくなってゆく莉奈の足音。


しばらく立ち尽くしていた。




莉奈、小学生の時は仲良かったのに……

小さい頃の莉奈の笑顔が、頭によぎる。



頬を抑えて、一つ、ため息を吐いた。



右頬が、ジンジンと痛む。

真っ赤に腫れているのが見なくてもわかった。