守ってやるよ

~千里~

俺のせいで観里が死んだ。



芽衣にそう告げてしまった。



絶対に言うつもりはなかったのに…。



だけど今それを言わないと俺も苦しくて。



罪の意識を人に吐き出さないといけないくらい、もう俺も限界だった。



呆然と俺を見る芽衣。



恐る恐る俺の顔を覗き込んだ。



「今の話…どういうこと?」

「…」

「ねえ…」

「芽衣には…言えない」

「今更訳が分からないよ!」



そう言って芽衣はまた泣いた。



もう俺たち…ボロボロだ。



「聞いて…くれるか?」

「聞かせてよ…」



あの日の話…。



そう、俺は昔から芽衣のことが好きだった。



芽衣と観里が付き合うずっと前から。



ある日突然観里を芽衣に奪われて。



俺は観里のことも大事に思ってたから、嫉妬の思いもあったけど、恨んではいなかった。



観里にも当然俺の気持ちは伝えなかったけど。



だけど日ごと芽衣への気持ちは増すばかりだった。



観里に笑顔を向ける芽衣を見るたびに。



その笑顔を俺だけのものにしたいという思いに刈られていった。



その日は大雪だった。



高校の合格発表の日。



俺は芽衣と同じ学校に行きたくて同じ学校を志望して。



芽衣と合格発表を一緒に見に行く約束もしていた。



朝起きると、すでに観里も起きていて。



“今日は合格発表だねー。芽衣と3人で同じ学校になったら絶対楽しいね”



俺の気も知らず、のんきにそう言う観里。