守ってやるよ

「花乃ちゃん…やっぱあたし苦しいや…」

「うん…あたしも余計なこと言ったかも。ごめん」

「ううん! それは違うよ。花乃ちゃんにあのときああ言ってもらわなかったら、気持ちが揺れて今の方がもっと苦しかったと思う。花乃ちゃんには感謝してるよ」

「そう…?」



あたしはあの日のことは後悔してない。



あの日言わずにいたら、あたしはまた迷って揺れて、どうしようもない思いに駆られてた。



あの日、観里にほとんど初めてお線香を上げられたことも大きかったのかも。



あれがあたしの背中を押した。



というか、観里に背中を押してもらえてる気がした。



なんて、あたしの勝手な言い分かもしれないけど…。



だけど観里はあたしの気持ちを蔑ろにする人じゃないから。



観里だってあたしの大事な人のままだよ。



秋の試験も終え、季節は冬に突入した。



前向きになれたあたしでも、冬はやっぱり気が滅入る。



そんなある日、また大雪があった。



ドキドキしてくる心臓…。



天気の悪い日でも動揺しなくなってきたけど、大雪の日だけはまだダメ…。



それでもなんとか学校には行けた。



でも学校に着いてから雪はもっと深くなって。



あの日のことがフラッシュバックする。



苦しいよ…。



千里、助けてよ…。



あたしは屋上までの階段を上がった。



屋上に出ようと思ったのに、雪で屋上の鍵は閉じられている。



諦めて教室に帰るか…。



そう思って反転した瞬間、会いたかった人があたしの視界に現れた…。



「千里…」

「芽衣…」

「千里…守るって言ったじゃん。なんで…なんですぐ来てくれないの」



あたしはそう言ってその場にしゃがみこんで泣いた。



どれだけ泣いても涙は枯れない。



観里が死んでからいったいどのくらいの涙を流したんだろう。



それでも涙は留まることを知らない。