守ってやるよ

千里の家にはすぐに着く。



千里のお母さんがびっくりした顔であたしを見た。



「芽衣ちゃん、どうしたの?」

「千里…家にいる?」

「うん、自分の部屋にいるけど…」

「上がってもいい?」

「うん、どうぞ」



お家に上がってまず通るリビング。



観里のお仏壇が見えた…。



「お線香…上げてもいい?」

「もちろん」



あたしはそっと観里のお仏壇の前に座った。



観里の笑顔の写真が真ん中に置いてあって。



一周忌のときにも目にしたけど、あたしは観里のお仏壇を見るのはこれで2回目。



その写真を見ていたらやっぱり涙は出てきて。



そっと涙を隠しながら、観里にお線香を上げた。



観里…あたし、観里のことは忘れないまま、前に進むよ…。



それから立ち上がって、千里の部屋に上がった。



千里の部屋をノックする。



「千里…あたし」



あたしの言葉に、ガタッという音が中から聞こえた。



そして部屋のドアがそっと開く。



「芽衣…なんで?」

「入れて…?」



千里があたしを部屋に入れてくれた。



久しぶりに入る千里の部屋。



あたしはその辺に腰を下ろした。



「千里…あたし、千里に言わないといけないことがあって」

「…」

「この話が千里にとってどう思うのか分からない。だけどあたしが言いたかったの」



千里は神妙な顔であたしを見ている。