守ってやるよ

~芽衣~

観里の一周忌でなにか様子がおかしかった千里は、それからは普通だった。



雪の降る日や天気の悪い日には電話をくれる。



授業も一緒にサボってくれる。



あたしは一周忌のことは何かの間違いだったんじゃないかというような気がしていた。



そして、いつも通りにあたしに優しくしてくれる千里から、穏やかな気持ちを与えてもらっていた。


*


そこからさらに日は流れ、新しい季節、4月になった。



なんと、千里は新学期初日にも関わらず熱を出して学校は休み。



あたしは一人でクラス替えの表示を見に行く。



って言っても友達もいないからそんなに興味のあるものでもないけど…。



全部で6クラスあるので千里とも同じクラスになるわけもなく、あたしは一人で自分の新しい教室に向かった。



新しい教室、新しいクラスメイト、新しい担任。



新しいクラスには転校生もいて。



みんなざわついていたけど、あたしにはどうでもいいこと。



あーあ、それにしても新学期もしんどいなあ。



欲しいとも思ってないけど、友達も別にできない。



学校なんて何にも面白くない。



唯一の頼みの綱の千里も学校にいないし。



サボっちゃおう…。



1限が終わってぼーっとしてたあたしは、授業まであと1分というところで思い立って教室を抜け出して屋上に上がった。



屋上に上がると、すごく良い天気。



春の空が心地よい。



でも、屋上に一つの人影を見つけた。



フェンスの近くで体育座りをしている女の子…。



サボりかな…。