守ってやるよ

そして、迎えた命日。



忘れもしない、2月21日。



その日は平日だったけど、学校を休んであたしは観里の一周忌に出掛けた。



一周忌は観里の家でひっそりと。



制服に腕を通して、準備をしてあたしは観里の家へ向かった。



久しぶりの観里の家。



近づくにつれて緊張が増す…。



だけど、着いた観里の家では、ご両親があたしのことを歓迎してくれた。



「お葬式以外ろくにご挨拶もせずに…ごめんなさい」

「いいの。芽衣ちゃんの気持ちは分かってるつもり。今日は来てくれて本当にありがとう。観里も喜んでると思うよ」



ご両親はすごく優しかった。



だけど、奥にいる千里は…。



なんだかいつもより表情が固い。



なんかこの前から変だよ…。



どうしたんだろう…。



それから家で法要が簡単に行われ、あたしたちはお墓参りをすることになった。



初めて行く観里のお墓…。



緊張する…。



ちょっと胸が苦しくてドキドキする心臓。



それでもどうにか着いたお墓。



観里の名前が彫ってある…。



観里…。



目にするとやっぱりあたしには残酷で。



涙をぐっとこらえた。



隣にいる千里の裾をきゅっとつかんだ。



だけど…。



千里がそれをやんわりと外して。



千里…?



あたしは不思議な顔を千里に向けたけど、千里はまっすぐと前を向いていて、何を考えているのかは分からなかった。



順にお墓にお線香をあげると、本当に観里が死んでしまったのが、改めて分かる。



お墓の前にあたしはたまらなくなって泣き崩れた。



「芽衣ちゃん…」



観里のお母さんが、あたしと一緒になって泣いてくれる。



お母さんに背中をさすられながら、そのまましばらく泣いていた。