守ってやるよ

~芽衣~

冬は夏と同様長くて、毎日が冷え込む。



あれから雪は降らなくて、そしてあたしと千里はさらに絆が深まったように思う。



あたしも前よりも心がやわらいでいる。



2月。



もう少しで、観里の命日がやってくる。



前に進めたと言っても、あたしはまだまだ。



お墓参りにもまだ行けてないし、あの日から1年経つという事実はあたしに重くのしかかっていた。



そんな今日は、4時間目の授業に出ていたら何やら窓際の生徒が騒ぎ出した。



その声につられて窓の外を見ると、ちらちらと舞い落ちる雪。



クラス中が湧き立った。



あたしは口元を引き締める。



少しざわざわする心…。



だけど…。



不思議と、前みたいに呼吸が乱れたりしなかった。



少しのざわざわ。



それだけ。



あたしは確実に前に進んでる…。



スマホに通知が来る。



見ると、千里から『大丈夫か?』の文字。



千里はいつでもあたしのことを気にかけてくれる。



『ありがと。昼休み、屋上来てよ』



そう送る。



その言葉通り、4時間目が終わり、2人で屋上にそろった。



雪はもさもさ降っていて、薄く雪が積もっているので、あたしたちはまた屋根の下でそれを眺めた。