そばにいるって、君が忘れないように

おばあちゃんの腕には点滴用の針が刺さっていて、何個もの薬を投与している。
 
その姿は痛々しかった。


「え……でも、おばあちゃんに何かあったら」

「大丈夫。景子(のどかのお母さん)が今から来るらしいから、だいじょうぶヨ」

「そう……なら、安心かな……。分かった、学校は行くけど、病院にも来るからね?」

 
おばあちゃんは優しく微笑んでしわしわの笑顔を私に向けた。

 
私は、一旦おばあちゃんのいない家に帰り、学校の準備をして、家を出た。

 
どこにいても、私の心は落ち着かない。

 
おばあちゃん……大丈夫だよね?
 
し、死んだりなんて、しないよね?
 
いやだ、いやだよ。

私の大好きなおばあちゃんが死ぬなんてやだ! 絶対にやだっ!
 
いや、違う! 死ぬわけがない!
 
死んだりなんて、しないんだから!