悪と正義だらけの僕は

僕はあいつに今日もいじめられた。

呼び出されたのは屋上。

大量の画鋲。

沢山の画鋲の先がこちらを向いていた。

これが悪だと言うのなら、僕は正義を成す。

僕は対抗して、あいつに画鋲を投げ付けた。

何回も、何回も。

この屋上には柵が無い。

あいつは姿勢を崩してどんどん後ろに下がっていく。

あーあ、バッカじゃないの。

僕は画鋲を投げ続ける。

あいつに向かって、狙いを定めて。

僕は最後に言った。

「ねぇ、そんなことしてると落ちちゃうよ」

もう遅かったけど。

言った直後に、あいつは落ちた。

目を大きく見開いて、全て失ったみたいな顔をして。

これは正義だ。

悪なんてこの世に存在しなくていい。だから消したんだ。正しかった。

ドンッ__と大きい音が響いた。

人が落ちる時って、こんな音がするんだ。

案外物音みたいなんだなぁ。

まぁ、あいつなんて人間の心の欠片もないから、物と同然か。

法律が悪だと言っても、僕にとっては最大の正義だった。