【自宅】
今日は、心に支えていたものが取れた気分。なんだか清々しい。
「真瑠ちゃん、おかえり!おやつ食べる?」
「今日ね、帰りに隆也とばったり会って、食べてきちゃったんだ!」
「あら、そうだったの?なんだか嬉しそうね」
「そんなことはない。いつも通りだよ。」
ママって鋭い。
「隆也くん、元気?」
「うんうん、元気だよ!」
「懐かしいよね、小学校の頃、よくうちで一緒に宿題したよね?覚えてる?」
「そんな事もあったな〜くらいで、あんまり、覚えていないな。」
「あら⁉︎そんな感じ⁉︎バレンタインの事も覚えてない?」
「バレンタイン?全然覚えてない!」
「まあ⁉︎真瑠ちゃん、罪ね〜‼︎」
ママが目を大きく開いてびっくりしている。
「え⁉︎何?何があったの?」
「小学校一年生のバレンタインの日、真瑠ちゃんと隆也くんと瑛里ちゃんの三人で宿題をしていたのよ。」
「それで?」
「瑛里ちゃんは、隆也くんに渡すチョコレートのラッピングがうまく行かなくて遅刻したんだけれどね。」
「え⁉︎瑛里が隆也に手作りチョコレート⁉︎」
「覚えてない?瑛里ちゃんは、ずっと昔から隆也くんのお嫁さんになるのが私の将来の夢よってみんなに言ってたじゃない⁉︎」
「えー⁉︎全然覚えてない‼︎」
嘘…あの瑛里が⁉︎隆也のことを⁉︎
「遅刻してきた瑛里ちゃんが、隆也くんにチョコレートを渡したのよ。」
「瑛里、本気で隆也のこと好きだったの⁉︎」
「あら⁉︎今は違うの?」
「え⁉︎」
今も好きなの⁉︎
隆也に甘えている時の瑛里、いつも幸せそう。
でも、なんで色々な男の子と付き合うの?
隆也が好きなのに⁉︎
「その時に隆也くんが、『真瑠璃ちゃんは?僕にチョコレートくれないの?』って。」
「えー⁉︎私は何て言ったの?」
「真瑠ちゃんは『隆也のことが好きになったら、チョコレートをあげるね!』って。ママはキッチンにいてびっくりしちゃったのよ。」
「え⁉︎」
「三人のやりとりをキッチンからこっそり眺めながら、可愛いなと思ってね。瑛里ちゃんは『隆也酷い!私のチョコレート嬉しくないなら返して‼︎』って怒り出すし、隆也くんは『返す』って言い出すし、真瑠ちゃんは『好きになった人にしかチョコレートは渡さない!』って威張り出すし。もうはちゃめちゃ。」
「今の私たちからは想像できないね。」
「真瑠ちゃんが覚えてないことに、びっくりしちゃった。隆也くんは、覚えているんじゃない?バレンタインの約束。」
バレンタインの約束……。一年生の私は、何て偉そうなことを言ってくれたんだ。隆也のことが好きになったらチョコレートをあげるね…か。考えたら、バレンタインチョコレートを隆也からもらうことはあるけれど、隆也にあげたことって今まで一度もない…。
今日は、心に支えていたものが取れた気分。なんだか清々しい。
「真瑠ちゃん、おかえり!おやつ食べる?」
「今日ね、帰りに隆也とばったり会って、食べてきちゃったんだ!」
「あら、そうだったの?なんだか嬉しそうね」
「そんなことはない。いつも通りだよ。」
ママって鋭い。
「隆也くん、元気?」
「うんうん、元気だよ!」
「懐かしいよね、小学校の頃、よくうちで一緒に宿題したよね?覚えてる?」
「そんな事もあったな〜くらいで、あんまり、覚えていないな。」
「あら⁉︎そんな感じ⁉︎バレンタインの事も覚えてない?」
「バレンタイン?全然覚えてない!」
「まあ⁉︎真瑠ちゃん、罪ね〜‼︎」
ママが目を大きく開いてびっくりしている。
「え⁉︎何?何があったの?」
「小学校一年生のバレンタインの日、真瑠ちゃんと隆也くんと瑛里ちゃんの三人で宿題をしていたのよ。」
「それで?」
「瑛里ちゃんは、隆也くんに渡すチョコレートのラッピングがうまく行かなくて遅刻したんだけれどね。」
「え⁉︎瑛里が隆也に手作りチョコレート⁉︎」
「覚えてない?瑛里ちゃんは、ずっと昔から隆也くんのお嫁さんになるのが私の将来の夢よってみんなに言ってたじゃない⁉︎」
「えー⁉︎全然覚えてない‼︎」
嘘…あの瑛里が⁉︎隆也のことを⁉︎
「遅刻してきた瑛里ちゃんが、隆也くんにチョコレートを渡したのよ。」
「瑛里、本気で隆也のこと好きだったの⁉︎」
「あら⁉︎今は違うの?」
「え⁉︎」
今も好きなの⁉︎
隆也に甘えている時の瑛里、いつも幸せそう。
でも、なんで色々な男の子と付き合うの?
隆也が好きなのに⁉︎
「その時に隆也くんが、『真瑠璃ちゃんは?僕にチョコレートくれないの?』って。」
「えー⁉︎私は何て言ったの?」
「真瑠ちゃんは『隆也のことが好きになったら、チョコレートをあげるね!』って。ママはキッチンにいてびっくりしちゃったのよ。」
「え⁉︎」
「三人のやりとりをキッチンからこっそり眺めながら、可愛いなと思ってね。瑛里ちゃんは『隆也酷い!私のチョコレート嬉しくないなら返して‼︎』って怒り出すし、隆也くんは『返す』って言い出すし、真瑠ちゃんは『好きになった人にしかチョコレートは渡さない!』って威張り出すし。もうはちゃめちゃ。」
「今の私たちからは想像できないね。」
「真瑠ちゃんが覚えてないことに、びっくりしちゃった。隆也くんは、覚えているんじゃない?バレンタインの約束。」
バレンタインの約束……。一年生の私は、何て偉そうなことを言ってくれたんだ。隆也のことが好きになったらチョコレートをあげるね…か。考えたら、バレンタインチョコレートを隆也からもらうことはあるけれど、隆也にあげたことって今まで一度もない…。


