【清好堂】
今日も素敵な佇まい。甘いかおりに包まれて幸せな気持ちになる。
「こんにちは！」
「いらっしゃいませ。」
今日も、奥から、可愛いおばあちゃんが出てきてくれた。
「この間はありがとうございました！」
「あら、この間の小百合ヶ丘の生徒さんね。今日は、素敵なお友達も一緒なのね？」
「そうなんです‼︎ここの和菓子を、どうしても紹介したくて！」
「こんにちは！」
「こんにちは。最近の若い子は、あんこより生クリームかなと思ったけど嬉しいわね。」
おばあちゃんが、優しく微笑む。やっぱり、大好きだな。
「どれもこれも美味しそうだな！」
「やっぱり、隆也もそう思うよね‼︎」
「今日もほとんど予約で出ちゃって。あまり残っていないのよ。もし良かったら、お茶を淹れるからお店の前で食べていってちょうだいよ。準備するから、座って待っていてね。」
そういって、おばあちゃんはお店の奥へと消えていった。
ぽかぽかの日差しと、和菓子の甘い香りに包まれているこんな時間って、幸せ。清好堂の店先に隆也と二人並んで座っていると、まるで、世の中の酸いも甘いも全て経験して、のんびりと毎日過ごしているおじいちゃんとおばあちゃんみたい。隆也と一緒にいると、心がより穏やかになる。