「あっ、はい」
有無を言わさない笑顔の圧に押されて頷くと、三牧くんは安心したように言葉を続けた。
「そういうわけで、どうかな。僕は園川さんの彼氏にはなれない? 後悔はさせないよ」
「え。え、えっと……その」
この場合、どういう対処法が正解なのでしょうか、世のお嬢さん方。
生まれてこの方、告白された経験なんてない。告白の正しい返事の仕方がわからない。そもそも、これは本当に現実なのか。都合のいい夢でも見ているんじゃないだろうか。どうしよう、充分にあり得る。白昼夢かもしれない。
脳内はパニック中だ。変な汗が噴き出してくる。鼓動は激しくなる一方だ。緊張で顔に熱が集まり、きっと茹で蛸みたいになっているに違いない。
三牧くんにこんな変顔、見られたくない。とっさに両手で顔を覆う。
「…………ごめん。困らせたね。今後もクラスメイトとして、よろしくね」
指の隙間から見えた彼は困ったように笑っていたが、どことなく沈んだ声だった。
頭で考えるより先にわたしは声を出していた。
「み、三牧くん!」
光を失った彼の瞳に、自分の必死な顔が映し出される。
有無を言わさない笑顔の圧に押されて頷くと、三牧くんは安心したように言葉を続けた。
「そういうわけで、どうかな。僕は園川さんの彼氏にはなれない? 後悔はさせないよ」
「え。え、えっと……その」
この場合、どういう対処法が正解なのでしょうか、世のお嬢さん方。
生まれてこの方、告白された経験なんてない。告白の正しい返事の仕方がわからない。そもそも、これは本当に現実なのか。都合のいい夢でも見ているんじゃないだろうか。どうしよう、充分にあり得る。白昼夢かもしれない。
脳内はパニック中だ。変な汗が噴き出してくる。鼓動は激しくなる一方だ。緊張で顔に熱が集まり、きっと茹で蛸みたいになっているに違いない。
三牧くんにこんな変顔、見られたくない。とっさに両手で顔を覆う。
「…………ごめん。困らせたね。今後もクラスメイトとして、よろしくね」
指の隙間から見えた彼は困ったように笑っていたが、どことなく沈んだ声だった。
頭で考えるより先にわたしは声を出していた。
「み、三牧くん!」
光を失った彼の瞳に、自分の必死な顔が映し出される。



