「……園川さん? 顔が赤いけど、熱でもある?」
「だだだだい、じょうぶ。ちょっと汗ばんじゃっただけだからっ! ごめん、先に行くね!」
わたしはすっくと立ち上がり、そのまま教室目がけて駆け出した。遅れてやってきた羞恥心をぶわりと沸き立たせながら。
◇◇◇
おかしい。睡魔が襲ってこない。
二度寝ができる朝の通学時間はわたしにとっての天国だったはずなのに。今日ももれなく朝から母に叩き起こされて睡眠不足だ。今こそ二度寝をする絶好のチャンス。それなのに眠くないなんて、絶対おかしい。
朝から目が冴えているなんて人生初じゃないだろうか。
二つ目の停留所から生徒が乗り込んでくる。三牧くんだ。彼はわたしの隣にすとんと腰を下ろし、不思議そうに尋ねた。
「園川さん、寝なくていいの? 学校に着いたら、ちゃんと起こすよ?」
「そっ……そうだよね。うん、じゃあ、寝ようかな」
ぎくしゃくと言葉を返すので精一杯だった。
悪いことはしていないのに、なんとなく視線を合わせづらい。
「だだだだい、じょうぶ。ちょっと汗ばんじゃっただけだからっ! ごめん、先に行くね!」
わたしはすっくと立ち上がり、そのまま教室目がけて駆け出した。遅れてやってきた羞恥心をぶわりと沸き立たせながら。
◇◇◇
おかしい。睡魔が襲ってこない。
二度寝ができる朝の通学時間はわたしにとっての天国だったはずなのに。今日ももれなく朝から母に叩き起こされて睡眠不足だ。今こそ二度寝をする絶好のチャンス。それなのに眠くないなんて、絶対おかしい。
朝から目が冴えているなんて人生初じゃないだろうか。
二つ目の停留所から生徒が乗り込んでくる。三牧くんだ。彼はわたしの隣にすとんと腰を下ろし、不思議そうに尋ねた。
「園川さん、寝なくていいの? 学校に着いたら、ちゃんと起こすよ?」
「そっ……そうだよね。うん、じゃあ、寝ようかな」
ぎくしゃくと言葉を返すので精一杯だった。
悪いことはしていないのに、なんとなく視線を合わせづらい。



