「ぅ……うーん。あともう少し」
「今日は英語の小テストがあるから、朝は教室で勉強するって言ってなかった?」
「はっ!?」
がばりと顔を起こすと、ほっとした様子の三牧くんと目が合った。
「おはよう、園川さん。もうすぐ学校に到着するよ」
「……おはようございます。毎回起こしてくれてありがとう、三牧くん」
「このぐらいお安いご用だよ。それじゃあ、降りようか?」
「うん」
降りる準備をするため、学生鞄とランチバッグを抱え直す。ついでに忘れ物がないかもチェックする。スマホと定期券のパスケース、よし。
けれど、何かに気づいたらしい三牧くんがストップをかけた。
「あ、待って」
「ん?」
「袖のボタン、取れかけているよ」
三牧くんが自分の袖を指差しながら教えてくれ、あわてて腕を上げて袖口を見る。案の定、ボタンはぶらんと垂れ下がり、かろうじて糸と繋がれた状態だった。
「ほ、ほんとだ。危うく気づかないまま落とすところだった。ご指摘、感謝します……」
「いえいえ。でも、そのままだと不安だね。よかったら直そうか?」
「……へ?」
「今日は英語の小テストがあるから、朝は教室で勉強するって言ってなかった?」
「はっ!?」
がばりと顔を起こすと、ほっとした様子の三牧くんと目が合った。
「おはよう、園川さん。もうすぐ学校に到着するよ」
「……おはようございます。毎回起こしてくれてありがとう、三牧くん」
「このぐらいお安いご用だよ。それじゃあ、降りようか?」
「うん」
降りる準備をするため、学生鞄とランチバッグを抱え直す。ついでに忘れ物がないかもチェックする。スマホと定期券のパスケース、よし。
けれど、何かに気づいたらしい三牧くんがストップをかけた。
「あ、待って」
「ん?」
「袖のボタン、取れかけているよ」
三牧くんが自分の袖を指差しながら教えてくれ、あわてて腕を上げて袖口を見る。案の定、ボタンはぶらんと垂れ下がり、かろうじて糸と繋がれた状態だった。
「ほ、ほんとだ。危うく気づかないまま落とすところだった。ご指摘、感謝します……」
「いえいえ。でも、そのままだと不安だね。よかったら直そうか?」
「……へ?」



