「…おつかれ」


バイトが終わり外に出ると、棗がいつも通り私を待ってくれていた。


「悪かったな。俺のせいで巻き込まれて、危険な目に遭わせて」

「別に、棗のせいじゃないでしょ…。あの時棗が来てくれたおかげで助かったのも事実なんだし。…坂上くんは、今日早退して帰っちゃったから話せなかった。でも、ごめんねって謝ってくれたよ」


それだけでやっぱり私には最初から危害を加えようとしたわけではないような気がした。


「…あいつとはちゃんと話す。きっちり解決させないから今回みたいなことに繋がったんだ。たとえ逃げられても、何度でも諦めない」


もう棗と坂上くんは大丈夫なようなそんな気がした。

きっと二人なら前みたいに戻れなくても、ちゃんと話し合うことができるのではないかと。


「そういえばあの時お店にはどうして来たの?」

「それは…最近おまえが避けてくるから。こうでもしないと会えないと思って」


そこで私はそういえば棗に告白をして避け続けていたことをやっと思い出す。


「ちゃんと話したかったんだ」

「…っ」