棗がいなかったら行くなんて選択肢は最初から存在しなかった。
休日に会えるという欲に負けて、美亜がいるにも関わらず来てしまったのだ。
「茉莉花は私の隣ねー!」
ジェットコースターの列に並びながら、なぜか美亜が腕にしがみついてきた。
「二人は仲が良い姉妹なんだね」
「えへへ、照れるなー。柊弥先輩と棗くんだって仲良しですよね?私たちと一緒です〜」
久しぶりの美亜のこの感じに再びため息をつきそうになるのをグッと堪える。
きっと美亜は今も私が何かをすることを望んでいるのだろう。
だけど、今日は何もやらない。
もう美亜のために悪女のフリはやらないと決めたのだから。
「…ねえ、茉莉花」
私たちの番になり、美亜の隣でシートベルトを締めていると美亜が後ろの二人には聞こえないように小さく耳打ちをしてきた。
「前に茉莉花、もう悪女はやめたいって言ってたよね?」
「…え?」
休日に会えるという欲に負けて、美亜がいるにも関わらず来てしまったのだ。
「茉莉花は私の隣ねー!」
ジェットコースターの列に並びながら、なぜか美亜が腕にしがみついてきた。
「二人は仲が良い姉妹なんだね」
「えへへ、照れるなー。柊弥先輩と棗くんだって仲良しですよね?私たちと一緒です〜」
久しぶりの美亜のこの感じに再びため息をつきそうになるのをグッと堪える。
きっと美亜は今も私が何かをすることを望んでいるのだろう。
だけど、今日は何もやらない。
もう美亜のために悪女のフリはやらないと決めたのだから。
「…ねえ、茉莉花」
私たちの番になり、美亜の隣でシートベルトを締めていると美亜が後ろの二人には聞こえないように小さく耳打ちをしてきた。
「前に茉莉花、もう悪女はやめたいって言ってたよね?」
「…え?」

