同じ制服に懐かしさを感じたのかな…?

でもどう見ても今の反応は違かったような…。

気になる。でも、聞いてみてもいいのかな…?

私はどこまで棗の中に踏み込んでいいのかわからない。


「私、美亜とは本当の姉妹じゃないの」

「…は?」

「美亜の家族と暮らしているけど、私の本当の両親はもうどっちも死んでてこの世にはいない。だから家では疎まれてて毎日空気のように過ごしているし、これ以上肩身狭く暮らしたくないなら美亜の悪女になるしかなくてずっと悪女を演じ続けてきた」


急に自分語りを始めた私に、棗はわけがわからないといった様子で目を丸くしていた。


「…ずっと、こんなこと誰にも話せなかった。私は悪女でないといけなかったから。でも、棗には本当の私を知って欲しいって最近思うようになったの。私のことを知ってほしいし、棗のことだって知りたい。私は棗のどこまで踏み込んでもいい…?」


もう大切な人を失いたくない。

だから私はすっかり臆病になってしまった。

誰に何を思われたっていいけど、好きな人には…棗には、嫌われたくない。離れていってほしくないから。


「…中学時代は、あまり思い出したくないんだ。ずっと後悔している出来事があるから」