ドキドキとうるさい心臓に手を当てながら、「じゃあ…」とお言葉に甘えて棗の傘の中に入る。
意識しないようにしても触れるか触れないかギリギリの距離に棗がいることに耐えられなくて、前だけを見つめながら黙々と歩き進める。
「そういえば、この前兄貴からテーマパーク招待券のチケットを四枚もらった」
「え?何それ、すごいじゃん」
「ファンクラブのやつからもらったけど、使わないからって俺に押し付けてきた」
「ああ、なるほど…」
柊弥先輩にファンクラブまであったことを初めて知り、さすがだなと苦笑いする。
「せっかくもらったんなら、槙野くんとか誘って行ってきたら?オリエンテーションの日から仲良いでしょ?」
「あいつが何かと絡んでくるだけだ」
とか言いながら、棗は最初ほど槙野くんを拒むことはなくなってきているから、だんだんと気を許している証拠なのだと思う。
本人は気づいていないのだろうけど。
「てか、俺はおまえがいいんだけど」
「…え?」
聞き間違いかと思って聞き返しながら顔を上げると、至近距離で私を見つめていた棗と目が合う。
意識しないようにしても触れるか触れないかギリギリの距離に棗がいることに耐えられなくて、前だけを見つめながら黙々と歩き進める。
「そういえば、この前兄貴からテーマパーク招待券のチケットを四枚もらった」
「え?何それ、すごいじゃん」
「ファンクラブのやつからもらったけど、使わないからって俺に押し付けてきた」
「ああ、なるほど…」
柊弥先輩にファンクラブまであったことを初めて知り、さすがだなと苦笑いする。
「せっかくもらったんなら、槙野くんとか誘って行ってきたら?オリエンテーションの日から仲良いでしょ?」
「あいつが何かと絡んでくるだけだ」
とか言いながら、棗は最初ほど槙野くんを拒むことはなくなってきているから、だんだんと気を許している証拠なのだと思う。
本人は気づいていないのだろうけど。
「てか、俺はおまえがいいんだけど」
「…え?」
聞き間違いかと思って聞き返しながら顔を上げると、至近距離で私を見つめていた棗と目が合う。

