でも、告白なんてできるわけがない。

冷たく断られてこの関係すらなくなってしまうかもしれないのだから。


「いらっしゃいませ」


ふとお客さんが入店してきたことにより、この話はそこで終わりとなった。

棗が私をどう思っているのか、いつか聞けるといいな…。



「…雨の日くらい来なくてもいいのに」


バイトが終わりお店を出ると、いつも通りの場所で傘をさした棗が待っていた。


「…習慣?的なのになってるから、来ないと逆に落ち着かない」

「そう…。あ、傘。控え室に忘れたから取って…」

「俺の入れば?雨も弱まってきてるし」


棗にそんな提案をされるなんて考えてもいなかったため、思わずぎょっとする。


「え…い、いいの…?」

「ああ。取りに戻る方が面倒だろ」