ぼそりと呟いた和佳に気づいていないのか、ニコニコと天使スマイルを浮かべた美亜が今日もべったりと棗にくっついていた。
何を勘違いしているのか、美亜はオリエンテーションの日からしつこいくらい棗を追いかけ回していて、いい加減棗もうんざりとしていた。
「あのさ、嘘つきと関わりたくないって何回言ったらわかんの?」
そう、棗はオリエンテーション二日目の朝に騙されたと信じきっている美亜が話しかけてきた際に「あの泣き虫はおまえじゃないことくらい知ってる。二度と関わってくんな」ときっぱり本人に向かって伝えていた。
それなのに相変わらず、美亜は棗に付き纏っているのだ。
まあその日から機嫌が悪く私に対する当たりはだいぶきついから、一応傷ついてはいるのだろうけど。
「今はそうでも、これから変わっていくかもしれないでしょ?ねえ、茉莉花?」
いつもの合図だとすぐにわかるが、ふいっと美亜から目を逸らして教室を出ていく。
「茉莉花、待ってよー。下までは一緒に行こ」
「あ、和佳…。うん、行こう」
私はもう悪女でいたくない。
たとえ死ぬまで美亜の悪女でいないといけない運命だとしても、素直に悪女を演じ続けるつもりはない。
「茉莉花、変わったね」
何を勘違いしているのか、美亜はオリエンテーションの日からしつこいくらい棗を追いかけ回していて、いい加減棗もうんざりとしていた。
「あのさ、嘘つきと関わりたくないって何回言ったらわかんの?」
そう、棗はオリエンテーション二日目の朝に騙されたと信じきっている美亜が話しかけてきた際に「あの泣き虫はおまえじゃないことくらい知ってる。二度と関わってくんな」ときっぱり本人に向かって伝えていた。
それなのに相変わらず、美亜は棗に付き纏っているのだ。
まあその日から機嫌が悪く私に対する当たりはだいぶきついから、一応傷ついてはいるのだろうけど。
「今はそうでも、これから変わっていくかもしれないでしょ?ねえ、茉莉花?」
いつもの合図だとすぐにわかるが、ふいっと美亜から目を逸らして教室を出ていく。
「茉莉花、待ってよー。下までは一緒に行こ」
「あ、和佳…。うん、行こう」
私はもう悪女でいたくない。
たとえ死ぬまで美亜の悪女でいないといけない運命だとしても、素直に悪女を演じ続けるつもりはない。
「茉莉花、変わったね」

