「うん…それはもちろん行くけどさ…。って、駅前の繁華街らへんって夜になると治安悪いから気をつけてね?ただでさえ茉莉花は美人なんだから変な男に捕まらないようにね」
「大丈夫だよ」
「心配なの!あ、たしか駅前といえば槙野から聞いたんだけど、向坂の家の近くでもあるんだっけ?ついでだし茉莉花のこと終わる時間に迎えに行ってあげなよー」
「ちょ、和佳…!」
和佳が隣の席で帰る支度をしていた棗に唐突に話を振っていて、棗も「は?」とでも言いたげに顔をしかめていた。
「だから、聞いてたでしょ?茉莉花がどっかの男に襲われないように、あんたが守ってあげてって」
「一人で大丈夫だから」
あの棗に臆することなく話しかけられる和佳はなかなかにすごいと思う。
きっとなんとも思っていないからこそ、失うものもないからできるのだろう。
だけど私は棗が好きだと自覚してから、なぜか顔を合わせることですら緊張してしまいうまく話せないでいた。
「棗くーん。一緒に帰ろ?」
なぜか引き下がる様子のない和佳にどうしたものかと困っていると、割り込むかのように美亜が間に入ってきた。
「…げっ、出たよ」
「大丈夫だよ」
「心配なの!あ、たしか駅前といえば槙野から聞いたんだけど、向坂の家の近くでもあるんだっけ?ついでだし茉莉花のこと終わる時間に迎えに行ってあげなよー」
「ちょ、和佳…!」
和佳が隣の席で帰る支度をしていた棗に唐突に話を振っていて、棗も「は?」とでも言いたげに顔をしかめていた。
「だから、聞いてたでしょ?茉莉花がどっかの男に襲われないように、あんたが守ってあげてって」
「一人で大丈夫だから」
あの棗に臆することなく話しかけられる和佳はなかなかにすごいと思う。
きっとなんとも思っていないからこそ、失うものもないからできるのだろう。
だけど私は棗が好きだと自覚してから、なぜか顔を合わせることですら緊張してしまいうまく話せないでいた。
「棗くーん。一緒に帰ろ?」
なぜか引き下がる様子のない和佳にどうしたものかと困っていると、割り込むかのように美亜が間に入ってきた。
「…げっ、出たよ」

