これからの班行動が不安でしかなく、はあとため息をつきながら窓の外に視線を向けた。



「あ、茉莉花!バス、隣同士だったんだね」


目的地に着いたバスから降りて班ごとに早速山登りが始まるというところで、なぜか美亜が駆け寄ってきた。


「…美亜」

「これから班に分かれて山登りだなんて、楽しみだね。…あ、もしかして茉莉花は班すら作れなかった…?ごめん、私無神経で…」

「心配しなくても、ちゃんと班作れたから」

「…え?そう、なんだ…。よかった、茉莉花のことだから余ってるんじゃないかなってずっと心配してたんだ。私が同じクラスだったら絶対茉莉花のこと一人にしないんだけどね」


にこっと怖いくらい綺麗な笑顔を向けられて、はっと鼻で笑う。

どうせ同じクラスだったら、余り者である私を心の中で嘲笑いながら、同じ班に入れてさも優しい天使かのように振る舞うのだろう。

美亜の考えていることは単純すぎてわかりやすい。


今だって他クラスからの視線を集めているとわかっていながら、わざと優しい妹を演じているのだから。


「茉莉花、もしクラスがいずらかったら私の班入る?どうせ山登りさえしてれば他クラスと合流したって何も言われないだろうし…」

「冗談じゃない。美亜と一緒の班になるくらいなら、帰るから」