藤峰さんには誤解してほしくなくて、泣きそうになりながら首を横にブンブンと必死に振る。


「あはは、そうだよね。少なくとも私のことを庇ってくれた七瀬さんは悪女とはかけ離れてたよ」


まさかの藤峰さんが私を選んでくれた理由を聞いて、諦めていた道が開けたようなそんな気がした。


「だからオリエンテーションでもっと七瀬さんのこと知りたいな」

「私も…私も藤峰さんのこと知りたい…!できれば友達に、なりたい…」

「えー?もう友達だよ」


勇気を出した私に藤峰さんは笑いながら抱きついてきた。

その日見た夕焼けは今までで一番綺麗だと、藤峰さんがいるからそう感じるのだと浮かれていた私は、自分が悪女であることをすっかり忘れてしまっていた…。