今日は掃除当番であったため、クラスメイトに嫌われている私は教室では居心地が悪く一人廊下を掃いていた。


「六限の和佳、超ウザかったよねー」

「え、わかる。うちもそれ思った」


ふと、教室を掃除していたバスケ部三人組の会話が外まで聞こえてきて思わず手を止める。


「こっちは女子四人になっちゃうから私抜けるね、なんて言ってわざわざ自分から悪女のところに行くなんてどうかしてるよね。きっと周りにいい子って思われたかっただけなの見え見えだっつーの」

「それでちゃっかり棗くんとまで同じ班になって、内心哀れな私たちのことバカにしてたよね!」

「“周りにも失礼だと思うけど!”じゃねーよ。本当はまんざらでもないくせにねー」


下品な笑い声に、聞いているこっちまで気分が悪くなってくる。

いつも一緒にいる友達をどうして本人がいないところで悪く言えるのだろう。

ましてや、あんなにいい人なのに。


「あんたたち、人の悪口なんて言ってないでさっさと手を動かしたらどうなの?それとも部活がサボりたいからってわざと遅くしてるの?」


三人は突然会話に入ってきた私に驚いたように目を見開いてから、「は、はあ!?」と精一杯の強がりを見せてきた。