やっと、作業が終わってどっと疲れが来た。

ペンキ塗っただけじゃん!って思うかもしれないけど結構他のこともやったんだよ!
模擬店の組み立てとかさ!

結構早く作業を進めて、お店の中のことにこだわるから、だいたい外側は終わってる。

「蜜華、お疲れ。」
佑都さんが微笑む。

「は〜、疲れちゃったぁ。じゃ、ここでお別れだね。またあとでね。バイバイ」

「うん、ちゃんと寄り道しないで帰ってこいよ〜」

「そんなの、わかってるよ!(笑)」

それから佑都さんと別れ、ふうっと息を吐いて席に座ると、周りに人が群がってきた。



「ねぇねぇっ!どういうことなのっ!?馴れ馴れしく神対応王子様としゃべってさ!」

その言葉に、ふわふわしたなごやかな気持ちが一気に消えて、現実に無理矢理引き戻される。

中には、全然関わりのないような、顔は知ってるけど名前は知らないような子もいた。
すごい剣幕で喋りかけられてタジタジになってしまった。

普段は穏やかな子も、すごい目つきで睨んでくる。