そしてふたりはしばらく談笑してから、風華姉様は満足したのか、お父さんの方へ行った。
佑都さん、きっと、風華姉様のほうが好きだろうな・・・・・
もはや諦めモードに突入してしまった。

「ふ、風華姉様、綺麗、ですよね。私の自慢の姉なんですよ。」努めて明るくわらうけれど、佑都さんは笑みを崩した。

「やっぱ・・・・・蜜華の方が可愛いよな・・・」

ボソリとそんな声が聞こえた気がする・・・
けど、スルー。絶対そんなこと言ってない。


幻聴だなんて私どうかしてる、どうかしてる・・・きっと、どうかしてる・・・
あまりの急展開に頭が追いつかないまま無理やり自分を納得させ、佑都さんに向き直る。

そこに、煌びやかな料理が運ばれてきて、私は震える手で、ナイフとフォークをとった。
こんなお上品な料理、あんまり食べないもん。
風華姉様はお父さんに連れられて高級レストランに行ってるって聞くけど。

「そうだ。あの話しなくちゃ」
お母さんがぽんと手を打って、言った。

「風華が大学進学を機に、家を出ていくらしくてね。だから、あなたもついていきなさい。」

「え・・?」
なんで?私まだ高校二年生なのに。
やっぱり、邪魔なのかな・・?

「それで、まぁ、風華の邪魔になっちゃいけないから・・・」
そう言うと、佑都さんのお父さんが続きを紡ぐ。

「佑都と住まない?」
はぁ?この人、何言ってんの?

「ん??ちょっと、いまいち展開に頭がついていかないのですけれど。なんで佑都さんが私と住むんですか?」