佑都さん、かな??

その足音は、あっという間に近づいてきた。



「あれ?どうしたの、蜜華」

私にかけられた声は、予想していたよりもずっと高かった。



「ふ、風華姉様・・・」

私は振り向き、むりやり笑みを浮かべた。

「ど、どうしたの?体調でも悪い?熱でもあるの??顔が沈んでるよ・・・?」

風華姉様が語尾にいっぱいハテナをつけて質問してくる。

風華姉様、今日来るって言っていたもんな・・・・
風華姉様はお家の合鍵も持ってるし、入ってこれたんだろう。


「体調は悪くない・・・・」

「じゃあ、どうしたの?」


「気持ちの問題」

私はそれだけ答えてそっぽを向いた。

こんなの、失礼な態度だってわかってる。
だけど、今は笑顔で対応する気分じゃない。

「何か、嫌なことでもあったの?話してよ」

いつにも増して柔らかくて優しげな口調が、心にじわりと染み込む。