私、そんなあだ名だったけ?多分、人違いだよね!私そんなに可愛くないしさ!!

聞かなかったことにして、尋常に振る舞う。

そして電車がちょうどきたので乗り込んだ。


蘭乃とか水瞬の人はね、大体の人が私が行く方向と反対の方向の路線にお家があるから、電車に乗れば同じ制服を着た子はぐっと減る。


「あ、蜜華ちゃん!やっほ〜」

不意に声をかけられ振り向くと、そこにはいつもの無邪気な笑みを浮かべた七瀬ちゃんが手を振っていた。


「あ、七瀬ちゃん!七瀬ちゃんもこっちの路線だったんだね!」


「うん、そうなの。こっちの路線の子、少ないよね」

「ね」


しばらく談笑して、七瀬ちゃんは家の最寄駅で別れていった。