「は〜〜、疲れたぁ・・・・ダンス必修とか最悪なんだけど・・・」

「まぁ、仕方ないよ。そういうシステムなんだからさ」

だるそうにのんびり、体操服をぬぎつつ、愚痴をこぼすかなを、七瀬ちゃんが励ましてる。

七瀬ちゃんはダンス得意だもんね。

リズム取れてるし、動きも綺麗だし、楽しそうだし・・・

正直言って、私はダンスはあんまり得意な方じゃない。

幼い頃から、リズム感ゼロなんだよね・・・

ボトルの水を喉に流し込んでいると、かなたちがキャハハと興奮しながら話し始めた。

「七瀬ってば、水瞬の神対応王子様ほんと好きなんだから。もう諦めなよ。その叶わない恋。
だって、蜜華が好きなんだよ、神対応王子様はっ」

「・・・んっ・・・！？ゴホッゴホッ・・・ゴホッゴホッ・・・」

かなが、また意味不明なこと言ってる！！

水でむせたじゃん！

咳き込みすぎて涙出てきたよ・・・！

「も〜、かな、やめてよ！そんなの、嘘だってば。七瀬ちゃん、かなの言うことは信じなくていいからね？」

私が必死にフォローしていると、睦田さんがやってきて興味津々に目をキラキラさせて口をひらく。

「なになに？神対応王子様は野々さんのことが好き？うわあ、新情報！みんなに伝えてこなくっちゃ」

うわあ、やめて〜・・・・

軽やかなステップでいきなり、二組の女子の集団の方へ歩き始めた。

二組の女子って、こう言っちゃ悪いけど、結構ヒステリックな子も多いし、なにより、佑都さんの大ファンばっかりなの！

佑都さんを信じ崇めてるって言っても過言じゃない。