なんて思いながら、くちびるを噛み締めた時だ。


「あの」

佑都さんの、爽やかで、どこか芯の通った、強い声が聞こえた。
見ると、佑都さんは、燃えるような瞳で風華姉様を見つめていた。

「あの、風華さん。申し訳ありませんが、俺の蜜華にそんなこと言う資格なんてありませんよ。」
そう言って、風華姉様を睨みつける。

「蜜華は、ちゃんと頑張っています。・・・次、そんなこと言ったらゆるしません。
・・・蜜華は、風華さんの所有物じゃありません。」
その言葉に、胸の奥がじわりと熱くなる。

「・・・俺の大切な許嫁に、勝手なこと言わないでください。」
その言葉は強かった。静かな怒りをじわじわと感じさせる一言。
その言葉に、風華姉様は目を見開き、机をバシッと叩いた。

「ほんっと、あんたたちのせいで気分悪くした。二人で楽しくしてれば？」
そう吐き捨てるみたいに言って、リュックを乱暴に背負って出ていってしまった。
あんな姉様、初めて見た・・・・

「って、ことでさ・・・蜜華は、俺に頼っていいから。」


にっこりと微笑む姿に、ちょっぴりときめいちゃったのは、秘密。