帰りのホームルームが終わったタイミングで、かなと心がスクバを肩にかけて走り寄ってきた。

「行こ!」

「うん、それで、どこにあるの?」

「こっから歩いて十分くらいのところ。」
私はワクワクしつつ、かなと心に着いていった。


しばらく歩いていると、男子生徒たちがたくさん見えるようになった。

「あ、水瞬男子高の人たちだ〜!」
かなが無邪気にはしゃぐ。
水瞬男子高校は、私たちの学校の近くにある。
浮かぶのは、佑都さん。

はぁ〜〜、なんかまた、憂鬱(ゆううつ)になってきた・・・
別に、佑都さんが嫌いとかそう言うわけじゃないんだけどね・・・
いくらなんでも同居ってどうなのよ・・・

「聞いてる〜?」
我に返ると、かなが私の顔を覗き込んでいた。

「あ、ごめん・・考え事してて。」

「それにしても水瞬の人たちってイケメンだよね〜♡あ〜彼氏ほしいな。」

「ね〜、マジそれな〜」
心とかなが恋話(コイバナ)で盛り上がってる。


「あれ、蜜華じゃん。」
びっくりして振り向くと、そこには制服姿の佑都さん。
今日は、なんかずいぶんイメージが違うな・・・
てか、呼び捨てじゃん!!

「こ、こんにちは。奇遇ですね。こんなところで会うなんて。」

「蜜華も学校帰り?」

「わ、私は友達と遊びにに行こうかと・・・」
なんか地味に緊張する・・・!