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「村崎さん、緑谷くん! おめでとー!」
「緑谷、カッコよかったぞー!」
プロポーズされ、幸せなムードに包まれていた私達。
注目されることは、あまり得意ではないけれどー!今日は、嬉しかった。
「み、みんな……ありがとうございますっ」
祝福してくれるみんなに、ペコペコと頭を下げてお礼を伝えた。
「紫、翡翠くん。おめでとう」
みんなからの祝福を受けている最中、先ほど挨拶を述べていたパパが私達のところへやって来た。
「パ……。お父様。こういうことをなさるなら、最初からおっしゃってください」
「言ったと思うんだがなぁ」
顎に手を添え小首を傾げるパパ。
うぅ、まぁたしかに言ってたんだけど……もっと、内々にすると思ってた。
心の準備もできてないのに、こんなことできないよ。
「お義父さん。今日は、このような機会をありがとうございます。おかげで、自分にケジメをつけることができました」
「翡翠くん、すごく良かったよ。私も惚れ惚れするほどに」
パパは、お酒が入ったグラスを片手にご機嫌。
娘の婚約が決まった父親の立場というのは、こんなにうれしいもの、なのかな……?
私たちと少し話した後、パパは他の人のところへ挨拶回りをしに行った。
色んな人たちに話をし終えると、私達はまた会場の端の方へ行った。
周りに誰もいなくなると、ふと翡翠くんが私の顔の近くまで近付いてきた。

