「勝手に聞いてしまい申し訳ありません。分かりました。そのお話、お受け致します」
パピーとマミーに、ボクの人生を左右させる決断なんてさせたくない。
パピーとマミーは、ボク達二人が幸せになる選択を考えてくれると思う。でも、それじゃあ時間がないかもしれない。
そう、これはーーボクが自分で選んだこと。
「ルイ!」
パピーの顔、今まで見たことないくらい怖かった。
「ルイ、何を言ってるの……? レイを想うあなたの優しい心は分かる。だけど、それはダメ! そんな話を聞いたら……っ、もう会えなくなるのよ……?」
マミー、話すたびにーー言葉を発するたびに、涙が溢れてる。
「二人とも、大丈夫。ボクはーー日本で幸せになるから」
ボクの人生は、この日のためにーー今までが幸せだったんだろう。
会えなくなっても、三人が幸せになれるのならそれだけで十分だ。
そして、ボクは黄山家の力を借りて日本語の勉強を始めた。ボクには、時間がない。
早く日本へ行って、早く黄山家の勉強をして、早くーー婚約を確立させなければならない。
レイの体が、いつまで病に負けずにいられるのかが分からないから。
ボクは、このためだけにひたすら前を向いていた。

