「村崎さん、ありがと! すごく助かったよ!」

「でも、大変でしょ? 無理しないでね?」

 部活をしていないから、出し物をすることもない。だから、文化祭まで準備する事もない。一年生の時から、空いてる時間をみんなのために使っている。

「ううん、私は全然大丈夫……!」

 大変なのはみんなだもん。ここで、疲れたとか大変とか言えない。

「やべ。アレ買ってくんの忘れた!」

「え!? なにやってんだよー!」

 文化祭の準備では、問題は尽きない。困ってる声を上げるクラスメイト達の所へ駆け寄った。

「どうしたの?」

「村崎さん。実は、買い忘れたものがあるんだけどーーこれから、会社の人達と仕入れの交渉があって」

 困り顔で、どうしようと話す彼ら。

「それなら、私が行ってくるよ」

「え!? いいの?」

「うん。私、色々な人のお手伝いをしてるから」

 そう言うと、彼らの買い忘れた物を教えてもらった。買うのが難しい物ではない。

「ほんっと助かる! ありがと!」

「ううん。みんな、頑張ってね」

 そう言って、学校の外に出て指定された物を買うためにお店へ向かった。