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試合が終わるまで、あと十数秒。顔の前で両手を組みグッと力を込めた。
ーーお願いっ。勝って……!
「はっ……!」
声が聞こえ、ばっと顔を上げると緑谷くんが相手へ攻撃を一発当てていた。
「ぐっ……!」
苦悶の表情を浮かべ膝をついたところで、審判がペガサス学園を示す赤い旗を振り上げた。
同時に、試合時間が終了となり、ピーーーッと甲高い笛の音が会場に響いた。
「うおおおおおおっ!」
「やった! 勝った! ペガサス学園が優勝だぁあああ!!」
観客席が大盛り上がり。
緑谷くんが勝った……!
ペガサス学園が優勝したんだ!
初めて観にきた試合で、胸にぶわっと熱い何かが込み上がってきた。
団体戦に出ていたメンバーが、緑谷くんを囲い笑顔だったり、涙を流して喜んでいたり。
緑谷くんもーー嬉しそうな顔をしている。良かった。
その後すぐに閉会式が始まり、緑谷くんの首には個人戦の銀メダルと団体戦の金メダルがかけられた。
ーーバレないように、私もそろそろ撤退しよう。

