そして、始まった大将戦。
会場は、鎮まって緑谷くんと二人が取っ組み合っている試合の音だけが聞こえる。
だからか、みんなの心の声が聞こえてくる。
(どうせ負ける)
(あっつ……負けるなら、早く負けろよ)
(試合を長引かせんな)
頑張ってる人を前に、そんなことを思う……?
「あっ……!」
対戦相手に押され、線を超えてしまった緑谷くん。反則になっちゃった。
思わず声が出てしまった。
(ほらな、やっぱり無理だ)
(アイツら、どうせ全国に行くんだ)
(この試合、いらねぇだろ)
(この暑い中、いつまでいなきゃいけねぇんだ。早く帰らせてくれ)
みんな、緑谷くんが負けることを望んでる。
彼だけは、まっすぐ前を見て勝とうとしてるのに。
っーー絶対大丈夫、緑谷くんだもん……!

