みんなの熱気が集まった先鋒戦と次鋒戦。これらは、ペガサス学園の勝ち。この二戦は、実力のある三年生が勝利を勝ち取った。
「よしっ。よしよし……! ペガサス学園、今年はいけるぞ……!」
中堅戦。あと一回勝てば、ペガサス学園が優勝。そのプレッシャーは、二年生には重すぎた。三回戦目はレグルス学園の勝ち。
副将戦。戦況を覆せるかもしれないレグルス学園の勢いに負かされてしまった。
試合が始まる前とは異なり、ペガサス学園が劣勢の空気に飲まれている。
ーーどうして?
あと一試合……緑谷くんの試合が残ってる。それなのに、どうしてみんなーー。
(あー。こりゃ、ダメだな)
(ペガサス学園、今年も準優勝で全国か)
(全国大会に行けるだけマシか)
(緑谷に鹿島は倒せないだろうな)
みんなのマイナスな考えが聞こえてくる。
鹿島ーー鹿島って、緑谷くんが個人戦の決勝で負けた人……?
だから、みんなもう諦めちゃったの?
緑谷くん……!
緑谷くんは……?
彼の顔を見ると、厳しい戦況で諦めている表情をしている人達もいる中で、一人まっすぐ試合を見ていた。
そうだよ、緑谷くんが諦めるわけなんてない!

