無口な彼の内情を知ったら、溺愛されるようになりました……!?


「これは?」

「えっと、レモンの蜂蜜漬け……差し入れのつもりで持ってきて。あっ、で、でもっ。大会が近いって知らなくてっ……。ごめんなさい、持って帰るから……!」

「……十五分、休憩にしよう」

(((((え?)))))

 顎に手を添えた緑谷くんがボソリと呟くと、みんなの驚く声が聞こえた。

「村崎。外」

 武道場の外を指差し、靴を履いて先に外へ出た。

 そ、外でって……え? もしかして、他の人にはバレないように怒られちゃうーーとか?
 ドキドキしながら後ろをついて歩くと、また空手部の人達がヒソヒソと何かを話していた。

(あの緑谷さんが、十五分も休憩を……)
(今まで、差し入れなんかもらった事なかったのに)
(あの人、一体何者なんだ……!?)

 そんなことを心の中で思われているなんて、思いもしなかった。