「おれたちのこと、嫌いになった?」
心配そうにアカネがそう聞いてくる。
何をそんなに心配してるんだ。友達なのに、そんなこと思うわけないじゃないか。
「ぜーんぜん? わたしも、生徒会の一員として仕事を頑張っていかなきゃなって思って! 話してくれて、ありがとうっ!」
これで、やっと。ちゃんとみんなの、生徒会の一員になれた。そう感じた葵は、嬉しさのあまり気付けばオウリとアカネに抱き付いていた。
「(わわわわ!)」
「――……!」
……あれ? なんで二人の顔が赤くなって……――ハッ!
「ごっ、ごめん! 苦しかった?! そんなに強く抱き付いたつもりはなかったんだけど」
「はーいアオイちゃん? ちょっと離れようねー」
カナデに首根っこを持たれて、無理矢理引き剥がされてしまったではないか。
くそっ! こっちは喜びを噛み締めていたのにっ。
そうこうしているうちに、意識がどこか行っていたオウリとアカネはこっちの世界に帰ってきたらしい。一体どこに行ってきたのやら。
「これから大変だろうが、何かあれば俺らがいる。だから、そんなに不安にならなくて大丈夫だ」
「アキラくん……」
「それも含め、よろしくな」
葵はアキラに――そしてみんなに大きく頷いたのだった。



