綺麗な放物線を描いたカナデは、屍と化したのだった。
「さ! みんな、帰ろっか!」
スタスタと歩き出す葵。
みんなはというと、カナデに両手を合わせた後、目線は絶対に合わせずに慌てて葵の後を追う。
アキ)
「カチカチカチカチカチカチ……(飴を舐めている奥歯が尋常じゃないほど鳴っている)」
ツバ)
「か、カナも災難だったわねー(無意識に手が大事なところを守る)」
アカ)
「…………(マミリンフィギュアに何かぶつぶつ言っている目がイっちゃっている)」
チカ)
「そ、そうだな! ったく、せっかくオレが止めてやったのに!(ちょっとちびりそうになった)」
オウ)
「……(あの時防犯ブザーを投げてしまったことを酷く後悔している)」
ヒナ)
「ちびるならせめて小の方にしてね(衝撃的瞬間を撮影できて一人ホクホクしている)」
キサ)
「あ! どれどれ観せてー(つくづく自分が彼女と同性でよかったと心の底から安堵している)」
一番怒らせてはいけないのは、一体誰なのか。
それを、よくよく思い知った生徒会メンバーであった。



