「ここにいるみんなとはもう仲良しだけど、道明寺さんとも私は仲良くなりたいな。もう、そんな畏まらなくていいんだよ? 動画見ちゃったし」
「(デスヨネー。バレバレですもんねー……)」
ここでも素を見せられるようになった葵は、嬉しいやら悲しいやら、不安やら何やら。
完全にいい雰囲気がぶち壊しじゃないか! この野郎っ!
「でも、実はそれだけが理由じゃなかったりするんだなーこれが」
「他にも理由があるの?」
そう切り出したのはチカゼ。
確かに、あの異常なほどの脅しだ。どうやら他に、わけがありそうだ。
「それは……」
「それは?」
今度は、キサがもったいぶってなかなか話し出してくれない。
その間に他の人たちの目線は静かにアキラの方へと集まっていく。
「(ん? アキラくんと何か関係があるの?)」
見つめられている当の本人は、これまた可愛く首を傾げていらっしゃいますけど。
「――っ、それはっ!」
キサは両手で机をたたいた後、右手でアキラを指差し、そして――――。
「こいつが…………糖尿病になるからよ!!」
「……はい??」
支離滅裂過ぎて全く話の意図が掴めない葵の頭の中は、それはそれはたくさんのハテナで埋め尽くされた。
どういうことですか? 誰か、説明を求むっ!
その後興奮したキサが、マシンガントークで経緯を話してくれました。要約すると、こういうことらしい。
生徒会に選ばれる
↓
辞退する
↓
代わりを残されたメンバーが決める
↓
生徒会に入りたい人が猛アピール
↓
どうやら皇は甘いものが好きらしい
↓
アキラに大量のお菓子が渡る
↓
アキラはみんなに内緒で全部食べる
↓
健康診断で糖尿病になりかけと診断
↓
全員全力で阻止!
……だ、そうです。



