「(酷い。酷過ぎる。これ、わたしより絶対ヤバい人たちの集まりだと思うんだけど。ね?! そう思うよね!?)」
((え。うーん、まあ……))
「(やっぱり!?)」
((どっこいどっこいだな))
「まじかあぁあああ……」
脳内から返答をもらった葵は、そう叫びながら膝をつき手をつき。ガ――ンと、今にも音が聞こえそうなほど項垂れてしまった。
「は? お、おいっ、どうしたんだよ」
「あっちゃん? どうしたの?」
「あら。大丈夫?」
「アオイちゃん?」
「道明寺サン?」
「??」
いきなり奇声を上げながら項垂れた葵を、各々が心配してくれる中。
「(はあ)」
九条弟にはバカにしたような呆れたような、そんな顔で見られ。
「??」
まさに『説明聞かなくていいの?』的な顔で見つめてくる皇くん。
「(あんたはまともだと思ってたのにいっ!)」
葵はそう心の中で叫んで、もう一度項垂れたのだった。
「なんでだっ。どうして……っ」
ドンッドンッと、床を叩きつける様は。
((もはやゴリラにしか見えない))
「なんだと!?」
一人で勝手に喋っている葵に、お互いの顔を交互に見ながら頭に、はてなマークを浮かべている方が数名。
「翼、俺はまともじゃないのか」
「え? 今頃気付いたの?」
真剣な顔をしてそんなことを話す、アキラとツバサ。
まあ、実は葵の心の嘆きはバッチリ漏れていたのだけど。きっと、度合いが酷すぎて洩れたのだろう。
その頃のヒナタはというと。
「(よし、題名は【実写版ゴリラのマーチ】にしよ)」
そんな様子を、ばっちり動画に収めていましたとさ。



