すべてはあの花のために①






「……はい。それじゃあ今日は、ここでお終い」


 そう言うと、小さな頭がごろんとこちらに転がってくる。僅かに重たくなった目蓋に抵抗をしようとしているのか。読み終わった本を大事そうに胸に抱え、目を擦る姿は見ているだけでいとおしい。



「……この先は、もっと大きくなってからね」


 眠りを促すように頭を撫でてやると、忽ち小さな寝息を立て始める。



「きっと、見つけてね。この長い物語の入口を――」