すべてはあの花のために①




「どうしたんすか」


 そう声を掛けられるまで、ぼうっとしていたことに気付かなかった。
 いきなり掛けられた声に驚いて、長くなっていた灰がぼとっと塊になって落ちる。


「……何でも?」


 目の前の男の肩を叩き、歩き始める。

 過去は過去。
 後悔に立ち止まるな。振り返るな。

 今はもう、大事なものを守れる強さが、この手の中にあるのだから――――。